「したが、火だねは絶えず、近ごろまたも、桜山につづいて、備前には児島三郎高徳こじまさぶろうたかのりなる者が起り、瀬戸ノ海を隔てながらも大塔ノ宮、正成らとかんを通じ、虎視眈々こしたんたん、機をうかがっておりますそうな」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)