杖は外に置いて、釣燈籠だけは大事そうに抱えて中へ入った盲法師、光明真言こうみょうしんごんの唱えのみが朗々として外に響きます。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)