私の父は保持忠太夫ほじちゅうだゆうといって藩の奉行評定所の書役元締を勤めていた。席は寄合組で、おろくはそのころ二百石あまりだったと思う。
日本婦道記:桃の井戸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)