その窓窓はいつも閉されてあったが、眺めているうちに不思議にいろいろな想念に悩み織りこんでくる古い塔の尖端に、かれは毎夜のようにかれの伝奇的興趣でんきてききょうしゅをそそるような星座を見出すのであった。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)