九鬼右馬允嘉隆くきうまのすけよしたかは、信長から水軍の建設をいいつかると、鳥羽、熊野などの船大工や、多年海上で動作に馴れた水夫かこなどを糾合きゅうごうして、やがて七艘の大船を作り立て、これをさかいの浦へまわして来た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)