不立文字ふりふもんじ)” の例文
蘭軒は多紀氏の書を読んで、善書も亦往々人を誤ることあるを悟つた。是が伊沢氏の不立文字ふりふもんじの由つて来る所である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
桃青は宗教家の如くに仏道をその風流修行に応用したり、馬琴は哲学者の如くに仏道を其理想中に適用したり、桃青の仏道は不立文字ふりふもんじにして、馬琴の仏道はむしろ小乗的なるべし。