僕、あきれて先生を見れば、先生、向うをゆびさして曰、「あすこに不准怪声叫好ゆるさずかいせいこうとよぶことをと言う札が下っているでしょう。怪声はいかん。わたしのように『好!』と言うのは好いのです。」
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)