何でも夫人の前身は神戸あたりの洋妾らしゃめんだと云う事、一時は三遊亭円暁さんゆうていえんぎょう男妾おとこめかけにしていたと云う事、その頃は夫人の全盛時代で金の指環ばかり六つもめていたと云う事
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)