お隅は、一鵬斎芳藤いちほうさいよしふじえがくとした浮世絵なぞをそこへ取り出して来る。舶来と和物との道具くらべがそれぞれの人物になぞらえて、時代のすがたを描き出してある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)