此言は心裏しんりを想ひやつて意を立てゝゐるのだから、此も亦あたると中らざるとは別であるが、而も正統記等が其跡に就いて拡張したのであらうといふことは、一箭双鵰鵬いつせんさうてうを貫いてゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)