長谷川等伯の「松林図屏風」はせがわとうはくの「しょうりんずびょうぶ」
水墨の絵から何か一つ選ばうと思案する間もなく、長谷川等伯の松林図屏風がはうふつと目の前に現はれた。上野の博物館にあるもので、いくたびかそこで見、そのたびに感動の溜息をついた絵だ。 六曲一双つまり十二扇の大画面に、濃淡およそ二十本ばかりの松が …