岩魚いわな
——宋青磁浮紋双魚鉢—— 五月のあかるい昼さがり あまりに生の時間が重いので 私はひとり青磁の鉢を見ている 空いろの底に 二匹の岩魚が見えたりかくれたり すぎる風に水がゆれると 岩魚の背もかすかに紅いろに光る また水底をよぎる遠い宋時代の雲 …
題名が同じ作品
岩魚 (新字新仮名)佐藤垢石 (著)