遺産分配書いさんぶんぱいしょ
わが女王へ。決して穢れなかつた私の魂よりも、更に清浄な私の両眼の真珠を。おんみの不思議な夜宴の觴に投げ入れられようために。 善意ある港の朝の微風へ。昨夜の酒に濡れた柔かい私の髪を。——蝋燭を消せば、海の旗、陸の旗。人間は悩まないやうに造られ …