帰村きそん
寒々と背姿の林は続き 連峯は雪 よれよれの路はまた坂になり 鴉はあをあをと山蔭に群がり ああ少年の日の悲歌が甦へる ゆふぐれよりも早く ぱらぱら何時かのように村は花を灯し 村はまた何かを悲しむであらう こんなにも林の多い路だつたかと 少年の …