晩秋ばんしゅう
僕はどうしても厭だ、と云つたが、みち子がどうしても行くんだ、と云つて承知しない。何故僕が強情を張るか、その理由はちよつと……云ひにくいこともないけれど、云つたつて仕様がないから、云はない。 「無性!無性!無性屋さん……」と叫んだかと思ふと、 …
題名が同じ作品
晩秋 (新字新仮名)山本周五郎 (著)