道なき道みちなきみち
その時、寿子はまだ九つの小娘であった。 父親が弾けというから、弾いてはいるものの、音楽とは何か、芸術とはどんなものであるか、そんなことは無論わかる道理もなく、考えてみたこともなかった。 また、石にかじりついても立派なヴァイオリン弾きになろう …