『夏』
去年の今頃はもう鎌倉に行っていた。鎌倉と云っても、大船と鎌倉駅との間、円覚寺の奥の方であった。不便極るところで、魚屋もろくに来ず、食べ物と云えば豆腐と胡瓜。家の風呂はポンプがこわれて駄目だから、夕方になると、円覚寺前の小料理やのようなところ …
著者 | 宮本百合子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「文芸春秋」1926(大正15)年8月号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約1分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1分(300文字/分) |
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