粗末な花束そまつなはなたば
地震前、カフェイ・ライオンの向う側に、山崎の大飾窓が陰気に鏡面を閃かせていた頃のことだ。 私はよく独りで銀座を散歩した。 尾張町の四つ角で電車を降り、大抵の時交番の側を竹川町の停留場まで行き、そこから反対側に車道を横切って第一相互の下まで行 …