歴史の落穂れきしのおちぼ鴎外・漱石・荷風の婦人観にふれておうがい・そうせき・かふうのふじんかんにふれて
森鴎外には、何人かの子供さんたちのうちに二人のお嬢さんがあった。茉莉と杏奴というそれぞれ独特の女らしい美しい名を父上から貰っておられる。杏奴さんは小堀杏奴として、いわば自分の咲き出ている庭の垣の彼方を知らないことに何の不安も感じない、自然な …