新らしき悲しみにうつる時あたらしきかなしみにうつるとき
うら若かき日の悲しきあこかれ—— 草葉の息吹きかへす甘き馨り、 艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ。 木の間にさへずる鳥の歌をきく、 悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし。 されど、とく新らしき悲しみにうつりぬ。 何をもてこの闇を照らさむ。 …