かの日の歌【五】かのひのうた【五】
◉ 気味わるき、 十二月の、ひねもす。 そとには、おやみなくそゝぐ雨、 軒端にみだらなる、なげかひ……… 苦るしまぎれに煙草をすふ。 音なき浪——けむりのなかに、 うす暗き人生は、哀れ寂しく! かゝみて——渦まく。 時々未練、眼をかする、 …