“竿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さお59.6%
ざお15.8%
さを15.2%
かん7.0%
ざを1.8%
キュー0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
シナ人の乞食こじきが小船でやって来て長い竿さおの先に網を付けたのを甲板へさし出す。小船の苫屋根とまやねは竹で編んだ円頂で黒くすすけている。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それが、ほそいつり竿ざおを何十本もそろえたような口ひげを、左右にピンとのばして、ほら穴のような大きな口をあいて、笑っているのです。
虎の牙 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「この塔の高さと、同じ竿さをを拵へて貰ひ度いが、三四本物干竿を繼いでも構はない。寸法だけは、六間二尺——間違つてはいけない」
行宮あんぐうはなお上にあった。その行宮の南面の廊の角に一竿かんたかく、錦の旗が、大和、山城、河内の山野を望みつつ、へんぽんと山風を呼んでいる。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ろくな植込みも燈籠とうろうもなく、下女のお民が、陽を追つて干物ほしものを持ち廻るらしく、三又さんまたと物干竿ざをとが轉がり、物干の柱が突つ立つて居るだけの殺風景さです。
彼は何事かと云ふやうに眉をひそめて——彼の妙な、曖昧な表情の一つである——竿キューを置き、私について部屋を出た。