“濫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みだ66.2%
みだり20.6%
らん7.4%
いたずら1.5%
こぼ1.5%
ぬす1.5%
むやみ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みだりに他の階級の人に訴えるような芸術を心がけることの危険を感じ、自分の立場を明らかにしておく必要を見るに至ったものだ。
広津氏に答う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
濹の字は林述斎が墨田川を言現いいあらわすためにみだりに作ったもので、その詩集には濹上漁謡と題せられたものがある。文化年代のことである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
子路いかり、見えて曰く、君子も亦窮する有るかと。子曰く、君子固より窮す。小人窮すればここらんすと。——衞霊公篇——
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
いたずらな作者の道楽気は反省されなければならないと共に、群集の一人でも、此からの舞台では、仕出し根性を改めなければならないのではあるまいか。
印象:九月の帝国劇場 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
なかばまで言切らぬ内、文三は血相を変てツと身を起し、ツカツカと座舗ざしきを立出でて我子舎へやへ戻り、机の前にブッ座ッて歯を噛切くいしばッての悔涙くやしなみだ、ハラハラと膝へこぼした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
孔子曰く、君子もとより窮す。小人窮すればすなわちぬす(窃)む。子貢、色をす。孔子曰く、よ、なんじ、予を以て多く学びて識れるひととなすか。曰く、しかり、しからざるか。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
うめいて、紫色むらさきいろ雑木林ざふきばやしこずゑが、湿味うるみつたあをそらにスク/\けてえ、やなぎがまだあら初東風はつこちなやまされて時分じぶんは、むやみと三きやく持出もちだして、郊外かうぐわい景色けしきあさつてあるくのであるが
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)