“むやみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無暗75.2%
無闇22.5%
1.6%
執拗0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「その御心配なら絶対に御無用に願いたいものです。患家の秘密を無暗むやみ他所よそ饒舌しゃべるようでは医師の商売は立ち行きませんからね」
霊感! (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかも私は書物を買うことがすきで、「お前は役にも立たぬ書物を無闇むやみに買うので困る」と、毎々両親から叱られている矢先である。
一日一筆 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何のことをも感づくことができずに、全く満足し切っているように鈍い、その癖どこかおどおどしている女の様子に、むやみに気がいらいらして、顔の筋肉一つすら素直に働かないのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
頭の中にはもう一片の空想も芽ぐむ余地がなかった。ことに局部の痛みと手さきの冷たさとは全身の調子をひどく不愉快にした。その上、何となく不吉な予感が、彼の心を執拗むやみに蝕ばむのである。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
うめいて、紫色むらさきいろ雑木林ざふきばやしこずゑが、湿味うるみつたあをそらにスク/\けてえ、やなぎがまだあら初東風はつこちなやまされて時分じぶんは、むやみと三きやく持出もちだして、郊外かうぐわい景色けしきあさつてあるくのであるが
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)