だまっ)” の例文
旧字:
犬を利用する外無いからうまく行けば詰る所君の手際だ、犬に目を附け初めたのは君だから、夫にしてもやって見るまでだまって居たまえ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
れも時節がらで我慢してだまって居るよりほか仕方しかたがないとして居ながら、母に対しては如何いかにも気が済まない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
私の無鉄砲な野心が本当な事になって、もとより人にはわれず、又云うべきことでないからだまって居たが、その時の愉快はたまらない。ひとり酒をのんで得意がって居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そのくせ私は能く事情をしって居る。誠に事細ことこまかに知て居るそのけは、小本こほんなんぞ読むにも及ばず、近く朋友共が馬鹿話に浮かれて饒舌しゃべるのを、だまっきいて居れば容易に分る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)