“寂黙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しじま33.3%
じゃくもく33.3%
せきもく33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若い漁師は寒そうに首をすくめて、覚えずこう呟こうとして、そのまま口を噤んでしまった。少しでも声を立てて深い寂黙しじまを破るのが、何だか気味悪く感じられたのだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
山の寂黙じゃくもくそのものを味うにも、この頃が一番よい。感じ易い木の葉はもうそろそろ散りかかって、透けた木の間から洩れ落ちる昼過ぎの陽の柔かさ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
吾妻下駄あずまげたの音は天地の寂黙せきもくを破りて、からんころんと月に響けり。渠はその音の可愛おかしさに、なおしいて響かせつつ、橋のなかば近く来たれるとき、やにわに左手ゆんでげてその高髷たかまげつか
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)