のみ)” の例文
旧字:
そもそも私の酒癖しゅへきは、年齢の次第に成長するにしたがっのみ覚え、飲慣れたとうでなくして、うまれたまゝ物心ものごころの出来た時から自然に数寄すきでした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「もっと、とっぷりとかるようなのみものはない?」「しとしとと、こう手でれるような音曲おんぎょくいなあ。」母は遂々とうとうさじを投げた。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
へい、うも有難ありがたぞんじます、これうも大層たいそう奇麗きれいなお薬で。殿「ウム、早くへば水銀剤みづかねざいだな。登「へえー、これのみましたらのどつぶれませう。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
人間色気と食気が無くなっちゃあ働けねえ、のみけで稼ぐというやつあ、これが少ねえもんだよ、なあ、お勝さん
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お島が方々札びらを切って、註文して来た酒や天麩羅てんぷらで、男達はやがてのみはじめた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なんでもあいつは。十五日朝はなれて母牛の乳を一廻残らず飲みましてそれからなくのです。ですからあれは母牛の乳をまだのみたがってなくのでしょうと男等はった。日くれになってもまだ鳴いている。
牛舎の日記 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
構わずにぐいとおのみなさい。休まずにぐいと。
君のようにグイのみをされては溜まらん。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大層気分もくなるし、いよいよ旦那が東京へたつというので、祝ってたたしたお酒の座で、ちっとのみようが多かったのがもとになってね、旦那が出発をしたそのおひるすぎに
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
のみやアしねえ、今日けふ治衛門ぢゑもんさんのところへつてもさけまなかつた、うちに買つてあるのを知つてゐるから。女「それでもさけくさいよ。伝「燗鍋かんなべ玉子酒たまござけがあつたからそれをんだ。 ...
皿小鉢をつくえの下に落すまで、おのみになる。
下戸げこは知ったが、唯一の良薬と、沸燗にえかんの茶碗酒。えい、ほうと四辺あたりを払った大名のみ
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皆様が引切ひききりもなくおのみになるので