おも)” の例文
おもふに生や師恩に私淑し、負ふところのものはなはだ多し。しかるに軽挙暴動、みだりに薫陶の深きにむく。その罪実に軽しとせず。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
これに学問の独立を謀る所以の道ならん哉(謹聴、喝采)。おもうに、皇家をたすけ天下の学者を優待するは、内閣諸君の責なり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
おもうに彼みずからその短所を知りたるか。彼は四角なるフランクリンなり、彼は主我的にして、ややもすれば究屈なる諸葛孔明しょかつこうめいなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おもふに名とたからともとむるに心ふたつある事なし。六一文字てふものにつながれて、金の徳をかろんじては、みづから清潔ととなへ、六二すきふるうて棄てたる人をかしこしといふ。
おもえば女性の身のみずかはからず、年わかくして民権自由の声にきょうし、行途こうと蹉跌さてつ再三再四、ようやのち半生はんせいを家庭にたくするを得たりしかど、一家のはかりごといまだ成らざるに、身は早くとなりぬ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
あるいは斯計かばかりのことあらんは、予め期したることなるにと思い返し、よしよし万一うんつたなくしてたおれなば飲料用の氷桶こおりおけになりと死骸しがいくべしなど、今よりこれをおもえば笑止にえずといえども
この極めて軽小なる事を以て、この極めて重大なるものとう、おもうに彼の眼中において果してみずから安んずる所あるか。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おもうに、し隈公にしてわれのこれにあずかるを許さず、諸君にして余を擯斥ひんせきするあるも、余はみずから請うてこの事に従い、微力ながらも余が力を尽し
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
その外国に依頼してしかも変転自から操る所なき、かくの如し。おもうに、これ学問を独立せしむるの妙術なる、全く断じてその然らざるを知るなり(謹聴、喝采)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)