“雁皮紙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がんぴし90.5%
がんぴ4.8%
がんぴがみ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玉の外殻はうすい雁皮紙がんぴしで一枚一枚って、金属のようになるまで根仕事で固めたものである。中は、秘中の秘だった。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われに返ったように、雁皮紙がんぴへ絵筆を執り出したが、いくら描いても、反古ほごを作るばかりだった。そしてしまいには、無数の女の顔を、いたずらに描き初めた。その女の顔は皆、お可久に似ていた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狭い演奏者休憩室の椅子に、ほうり出されたように腰を下した幾久雄の唇は、雁皮紙がんぴがみのように慄えて、その眼は無念の涙さえ含んで居りました。
天才兄妹 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)