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遐
読み方 | 割合 |
とほ | 41.7% |
はる | 33.3% |
はるか | 16.7% |
とおく | 8.3% |
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泉は
遐くで泣いてます うつとり
和んで泣いてます……
右手の窓の外に、高い
樅の木が半分見えて後ろは
遐かの空の国に入る。左手の
碧りの窓掛けを
洩れて、澄み切った秋の日が
斜めに白い壁を明らかに照らす。
直ちに西北に向ひて、
今尚茫々たる
古の
那須野原に
入れば、天は
濶く、地は
遐に、
唯平蕪の迷ひ、断雲の飛ぶのみにして、三里の
坦途、一帯の
重巒、塩原は
其処ぞと見えて、行くほどに
跡は
窮らず
されども
渠等は
未だ風も
荒まず、波も
暴れざる
当座に慰められて、
坐臥行住思い思いに、雲を
観るもあり、水を眺むるもあり、
遐を望むもありて、その心には各々無限の
憂を
懐きつつ