車掌しゃしょう)” の例文
そのうち、車掌しゃしょうが、切符きっぷりにきて、一人ひとりおとこまえで、なにかあらあらしくいっていたが、そのおとこを、途中とちゅうからおろしてしまった。
かたい大きな手 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よろしゅうございます。南十字サウザンクロスきますのは、つぎだい三時ころになります」車掌しゃしょうは紙をジョバンニにわたしてこうへ行きました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
紙製玩具の、電車の車掌しゃしょうさんのかばんを買ってくれとせがむのである。それを肩にかけると非常に御機嫌で、切符パンチをうれしそうに使用する。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
車掌しゃしょうの声に思わず立ちあがり、あわてて車内を走った。例の年よりに会釈えしゃくもそこそこ、ステップに足をおろすと、いきなり大吉の声だった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「もしもし終点でございますよ」眼だけが空洞くうどうのようにんやりみひらいている僕の肩をたたいて車掌しゃしょうが気味悪そうに云った。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
ドイツ機の空襲が頻繁ひんぱんなので、いつどこで停車するかわからず、ひょっとすると、ロンドン入りは、翌朝になるかもしれないという車掌しゃしょうはなしであった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
学校で照彦てるひこ様が喧嘩けんかをしてなぐられるかもしれない。帰りの電車の中で車掌しゃしょうにけんつくを食わされるかもしれない。平民の自動車にどろをはねかけられるかもしれない。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その当時とうじ、まだ二十だい青年せいねんで、あの石狩平野いしかりへいやを走る列車れっしゃ車掌しゃしょうとして乗りこんでいたおじからきいた話なのです。以下いか、わたしとか自分とかいうのは、おじのことです。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
その女車掌しゃしょうの一方は、もう三十を大分だいぶ過ぎた、彼の仲間の太鼓叩きの女房で、おさんどんが洋服を着た格好なのだが、もう一方のは十八歳の小娘で、無論木馬館へ雇われる程の娘だから
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
バスの車掌しゃしょうをしていたが、おツリの出し入れが面倒くさくてやめてしまったのだそうで、道を歩きながら車掌のマネをしてみせて、次は何々でございます、ストップねがいます、大きな声
二十七歳 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「こっそり車掌しゃしょうさんに知らせようか知ら」
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
が、おじいさんが、こしをかけるのをてから、車掌しゃしょうさんは、チン、チンとベルをらしました。そして、おじいさんのまえへきて
一銭銅貨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
車掌しゃしょうはちょっと見て、すぐをそらして(あなた方のは?)というように、ゆびをうごかしながら、手をジョバンニたちの方へ出しました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それがだめだとなると、自分はまったくもう、どうしていいかわからなくなってしまった。自分のいのちがあぶないばかりでなく、車掌しゃしょうとして重大じゅうだい任務にんむをはたすことができない。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
隆吉との夫婦仲ふうふなかは良かった。隆吉は京成電車の車掌しゃしょうをしていたが、それも二三年位のもので、あとはずっと、与平に手伝って、百姓をしたり、土地売買のブロオカアのような事をして暮していた。
河沙魚 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
車掌しゃしょうさんまでが、顔をしかめて、じっと、こちらを見ているのです。
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「おじいさん、一せんらないのはわたしがあげます。」といって、車掌しゃしょうさんは、自分じぶんのがまぐちから一せん銅貨どうかして、おじいさんにやりました。
一銭銅貨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
車掌しゃしょうが手を出しているもんですからなんでもかまわない、やっちまえと思ってわたしましたら、車掌しゃしょうはまっすぐに立ちなおってていねいにそれを開いて見ていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
機関士も車掌しゃしょうも、この鉄道に、長いことつとめている、信用のおける人たちでした。そのふたりは、横目駅と矢倉駅の間で、列車は、一度もとまらなかったし、あやしいこともなかったというのです。
天空の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
規則きそくですから、おまけすることはできません。」と、車掌しゃしょうは、こたえて、おじいさんのようすを見守みまもっていました。
一銭銅貨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「切符を拝見いたします。」三人の席の横に、赤い帽子ぼうしをかぶったせいの高い車掌しゃしょうが、いつかまっすぐに立っていて云いました。鳥捕りは、だまってかくしから、小さな紙きれを出しました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
運転手うんてんしゅや、車掌しゃしょうや、汽車きしゃっているかかり人々ひとびとは、汽車きしゃからりて、機関車きかんしゃしたあたりをのぞいていました。
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
待合室で白いふく車掌しゃしょうみたいな人が蕎麦そばも売っているのはおかしい。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)