みづか)” の例文
神の現前しくは内住若しくは自我の高挙、光耀等の意識につきては、事に触れ境に接して、予がこれまで屡〻しば/\みづから経たる所なりしが
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
あの『みづかラ南陽ニ耕シ』と仰せられた通り、諸葛孔明は自分で百姓をしておいでになりましたから、それで生活の分が足りておいでになりました
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
唯、院みづから其を知り過ぎて居られた様に見える。其あまりとして院の好みが、多く新古今に現れ過ぎた。此技巧は連歌から習得せられたものが多い様だ。
田植刈入に監督を怠らぬのみか、股引に草鞋穿わらぢばきで、みづから田の水見にも廻れば、肥料こえつけの馬の手綱も執る。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
かくいとしまれつつも宮が初一念は動かんともせで、難有ありがたき人のなさけそむきて、ここにとつぎし罪をさへ歎きて止まざりしに、思はぬ子まで成せしあやまち如何いかにすべきと、みづからそのゆるし難きをぢて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ドストみづか露國ロコク平民社界へいみんしやくわい暗澹あんたんたる境遇けふぐふ實踐じつせんしたるひとなり、しかしてその述作じゆつさくするところは、およ露西亞人ロシアジン血痕けつこん涙痕るいこんをこきまぜて、ふべからざる入神にうしん筆語ひつごて、虚實きよじつ兩世界りようせかい出入しゆつにうせり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
みづから運命の道となした其砂道を歩きながら、昨日の午後両国駅の構内で常子と出会ひ、隅田丸で大川を溯り吾妻橋から浅草公園をあるき、日の暮れるのを待つて、尾久町の待合へ行つて夜を明した。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
廏戸の皇子の命のみづからつゞれさゝせる糞掃衣これ
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『臣モト布衣ほいみづかラ南陽ニ耕シ、いやしくモ生命ヲ乱世ニ全ウシテ聞達ぶんたつヲ諸侯ニ求メズ』
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)