“谷々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たに/″\28.6%
やつやつ28.6%
たにだに28.6%
やとやと14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
錦葉にしきばみのて、きざはしはしらぢて、山々やま/\谷々たに/″\の、ひめは、上﨟じやうらふは、うつくしきとりつて、月宮殿げつきうでんあそぶであらう。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鎌倉中、谷々やつやついらかや町屋根は、遠く、ここらの小山小山も、秋の昼さがりを、からんとして、はぎ桔梗ききょうに、微風もなかった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゴーッと遠い音波おんぱをひびかせて、みね谷々たにだに木魂こだまがひびきかえってきたあとから、ふたたび、山海嘯やまつなみにも喊声かんせいのどよめき。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天心に近くぽつりと一つ白くわき出た雲の色にも形にもそれと知られるようなたけなわな春が、ところどころの別荘の建て物のほかには見渡すかぎり古くびれた鎌倉かまくら谷々やとやとにまであふれていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)