谷々やとやと)” の例文
天心に近くぽつりと一つ白くわき出た雲の色にも形にもそれと知られるようなたけなわな春が、ところどころの別荘の建て物のほかには見渡すかぎり古くびれた鎌倉かまくら谷々やとやとにまであふれていた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)