すでに、朝廷ではあまねく、こんどの革命に軍功のあった宮方将士にむくう「論功行賞ろんこうこうしょう」の調査機関が開始されているとも彼は聞いている。
「無論、十分の論功行賞ろんこうこうしょうをしなければならぬ。差当さしあたってわたしの名で感謝の意を表しておいて下さい。そういう通報をしておいて下さい。ところで、今夜の君の話はそれだけかね」
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
わたしはよぎをかぶって蚊帳かやの中に小さくなっていると、しばらくくしてパチパチの音もんだ。これは近衛このえ兵の一部が西南えき論功行賞ろんこうこうしょうに不平をいだいて、突然暴挙を企てたものと後に判った。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
京へ凱旋がいせんしてのち、七ほんやり連中れんちゅうをはじめ諸将しょしょうの下のものへまで、すべて、論功行賞ろんこうこうしょうをやったかれにはまた、朝廷ちょうていから、じゅ参議さんぎせらるという、位官いかんのお沙汰さたがくだる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大戦が終って、天下の事は徳川家に帰すと、宗矩もまた論功行賞ろんこうこうしょうにあずかった。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)