衣類いるい)” の例文
かれは黒馬旅館くろうまりょかんでうばってきた衣類いるいと、研究けんきゅうノートのつつみをトーマスにもたせ、どこへゆこうとしているのか、しきりに先をいそいでいた。
障子しようじのような建具たてぐえついたならば、この建具たてぐたふすこと、衣類いるいえついたときは、ゆかまた地面じめん一轉ひところがりすれば、ほのほだけはえる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
嫁入よめいりてより七ねんあひだ、いまだにりてきやくしこともなく、土産みやげもなしに一人ひとり歩行あるきしてるなど悉皆しつかいためしのなきことなるに、おもひなしか衣類いるいいつもほどきらびやかならず
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくしのようなあの住人じゅうにん食物しょくもつ衣類いるいなどにつきてとおとおむかしおもがたりをいたすのはなにやらお門違かどちがいをしているようで、何分なにぶんにも興味きょうみらないでこまってしまいます……。
源「誠にしからん事です。お母様もしほかの事とは違います、手前も宮野邊源次郎、何ゆえお隣の伯父を殺し、有金衣類いるいを盗みしなどゝ何者がさような事を申しました、毛頭覚えはございません」
年年ものがりなくなるばかり、ある年の冬には、もう手まわりの道具や衣類いるいまで売って、手に入れたおかねも、手内職てないしょくなんかして、わずかばかりかせぎためたおかねも、きれいにつかってしまって
ジャックと豆の木 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
普通ふつう住宅じゆうたくならば椅子いす衣類いるい充滿じゆうまんした箪笥たんす火鉢ひばち碁盤ごばん將棊盤しようぎばんなど、すべ堅牢けんろう家具かぐならばせるにてきしてゐる。これ適例てきれい大地震だいぢしん度毎たびごとにいくらも見出みいだされる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)