“蚋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶよ84.6%
ぶと7.7%
ぶゆ7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、すこしぼんやりしていると、まだ生れたての小さなぶよが僕の足をおそったり、毛虫が僕の帽子ぼうしに落ちて来たりするので閉口です。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あのながくて丈夫ぢやうぶうま尻尾しつぽ房々ふさ/\としたは、ぶよひ拂はらのにやくつのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
だからぶよにくわれながら懐中電燈をもって叢のなかを明るく照らす、懐中電燈の明りは叢のなかを青写真のように映し出し、茎と葉との宮殿がならんで見える。
螽蟖の記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
鼾が高いので、竜輩怪しみ何事ぞと問うに、今夜痛くぶとされたと対う。
蝶ヶ岳から短沢へ下りて来た自分は、先ずこの清い流れにすすぎもし、頭も洗い、顔も拭いた、気が遠くなるような悪臭の蕕草かりがねそうを掻き分けたことや、自分の肩から上を気圏のようにぐっていたぶとの幾十陣団じんだんやに窒息するかと苦しんだことも、夢の谷へ下りては、夢のように消えて、水音は清々すがすがしい。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
かすかに声するを何事ぞと耳をそばだてるとぶゆが草間を飛び廻って「かの青橿鳥は何を苦にするぞ」と問うに「彼の初生児を鷹に捉られた」と草がこたう、蚋「汝は誰に聞いたか」
「水じゃあないの、これはこの苔が持っている、そうね、まあ、あの蜘蛛が虫を捕える糸よ。蟻だの、ぶゆだの、留まるとがさない道具だわ。あなた名を知らないでしょう、これはね、モウセンゴケというんです、ちょいとこの上から御覧なさい。」と、眼鏡レンズを差向けると、滝太郎は何をという仏頂面で、
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)