虎髯こぜん)” の例文
『えい、殘念ざんねんだ/\、此樣こんとき本艦ほんかん水兵すいへいうらやましい。』とさけんだまゝ、空拳くうけんつて本艦々頭ほんかんかんとう仁王立にわうだち轟大尉とゞろきたいゐ虎髯こぜん逆立さかだまなじりけて
役館の番卒は、「何者だっ」と、中から覗き合っていたが、重棗ちょうそうの如きおもてに、虎髯こぜんを逆だて、怒れる形相に抹硃まっしゅをそそいだ巨漢おおおとこが、そこを揺りうごかしているので
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
川島の妹婿たる佐々木照山も蒙古から帰りたての蛮骨稜々として北京に傲睨していた大元気から小説家二葉亭が学堂提調に任ぜられたと聞いていた激昂げっこうし、虎髯こぜん逆立さかだって川島公館に怒鳴り込んだ。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
西那須にしなすからは三島通庸つうよう君が栃木県令時代に俗論を排して開いた名高い三島道路。先頭に立ったのが吉岡虎髯こぜん将軍、屑屋くずやに払ったらば三銭五厘位のボロ洋傘こうもりをつき立てて進む。
「おのれっ」と、きばを咬み、一躍して、曹操を突き殺そうとしたが、その側に、朱面虎髯こぜん、光は百れんの鏡にも似た眼を、じっとこちらへ向けている武将が身構えていて油断もない。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
艇尾ていびにはいろ淺黒あさぐろく、虎髯こぜん海風かいふうかせたる雄風ゆうふう堂々どう/″\たる海軍大尉かいぐんたいゐあり、舵柄だへいにぎれるのばして、『やゝ、貴下等きから日本人につぽんじんではないか。』とばかり、わたくし武村兵曹たけむらへいそうおもて見詰みつめたが
かりの群れの如く、こうして一族の者どもと、諸州を渡りあるいていたところ、近ごろこの古城に、虎髯こぜんの暴王が兵をあつめしきりと徐州の残党をあつめておると聞き、さては足下にちがいあるまいと
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かたりかけて、轟大尉とゞろきたいゐ虎髯こぜんぎやくねじりつゝ