藁細工わらざいく)” の例文
駝鳥だちょうの卵や羽毛、羽扇、藁細工わらざいくのかご、貝や珊瑚さんごの首飾り、かもしかのつのふか顎骨がくこつなどで、いずれも相当に高い値段である。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
平次は下つ引を二三人狩り出すと、それを下總屋の表口に張らせ、自分と八五郎は裏木戸から——物置へ喜太郎が藁細工わらざいくをして居る一坪半ほどの小屋へ入つて行きました。
不意をうたれては、世界無比をほこる空魔艦もその乗組員も、まるで藁細工わらざいくと同じことである。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ツチンボは藁細工わらざいくの藁を打つ木槌きづちのことで、これも幾分か形が似ていると言われぬことはないが、こちらはあるいはうつぼぐさの訛り、もしくは誤ってそう解したものとも見られる。
型のごとく、青竹につるした白張の提灯ちやうちん、紅白の造花の蓮華れんげ、紙に貼付はりつけた菓子、すゞめの巣さながらの藁細工わらざいく容物いれものに盛つた野だんご、ピカピカみがきたてた真鍮しんちゆう燭台しよくだい、それから、大きな朱傘をさゝせた
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)