蒙求もうぎゅう)” の例文
蒙求もうぎゅう風に類似の逸話を対聯ついれんしたので、或る日の逸話に鴎外と私と二人をならべて、堅忍不抜精力人に絶すと同じ文句で並称した後に
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その折柄にこの大打撃をうけたのであるから、歌舞伎凋落ちょうらく、新派劇全盛、こうした『蒙求もうぎゅう』のような文句が諸人の口に伝えられた。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
下等士族はすなわしからず。役前やくまえほか、馬に乗る者とては一人ひとりもなく、内職のかたわらに少しく武芸ぶげいつとめ、文学は四書五経ししょごきょう、なおすすみ蒙求もうぎゅう左伝さでんの一、二巻に終る者多し。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「大層むつかしいものをやりやがったな。蒙求もうぎゅうは荷が勝ちすぎるだろう、少しは覚えて来たか」
荊楚けいそ歳時記 啓蒙雑記 啓蒙随録 芸林蒙求もうぎゅう 決疑弁蒙 現世利益弁げんぜりやくべん 顯密威儀便覧
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
それが例の蒙求もうぎゅうを囀るということわざの引続きであって、しかも句としては新らしかった。『物類称呼ぶつるいしょうこ』は安永年間の書物であるが、あの中には関東で「一筆啓上せしめ候」、遠江とおとうみ国においては
ソレカラ何処どこかで法螺ほらの貝を借りて来て、かおを隠して二人ふたりで出掛けて、杉山が貝を吹く、お経の文句は、私が少年の時に暗誦あんしょうして蒙求もうぎゅうの表題と千字文せんじもん請持うけも
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「手前が妹に教わって、蒙求もうぎゅうさえずる間、奥の一と間じゃ何をやったんだ」
蒙求もうぎゅう 孟子 文選もんぜん 文徳実録
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
所がここな事は、その塾で蒙求もうぎゅうとか孟子とか論語とかの会読かいどく講義をすると云うことになると、私は天禀てんりん、少し文才があったのか知らん、の意味をして、朝の素読に教えてれた人と
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)