舞下まいさが)” の例文
正面の額の蔭に、白い蝶が一羽、夕顔が開くように、ほんのりとあらわれると、ひらりと舞下まいさがり、小男の頭の上をすっと飛んだ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下々の手前たちがとやかくと御政事むきの事を取沙汰とりざた致すわけでは御座いませんが、先生、昔から唐土もろこしの世には天下太平のしるしには綺麗きれい鳳凰ほうおうとかいう鳥が舞下まいさがると申します。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
小石のごとく真一文字に舞下まいさがりて
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
白い手を挙げ、とさして、ふもとの里を教うるや否や、牛はいかずちのごとく舞下まいさがって、片端かたっぱしから村を焼いた。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かの毒竜舞下まいさがりて
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)
……余波なごりが、カラカラとからびたきながら、旅籠屋はたごやかまち吹込ふきこんで、おおきに、一簇ひとむら黒雲くろくもの濃く舞下まいさがつたやうにただよふ、松を焼く煙をふっと吹くと、煙はむしろの上を階子段はしごだんの下へひそんで
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)