“膠着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうちゃく78.4%
かうちやく7.8%
にかわづ3.9%
くツつ2.0%
こうちやく2.0%
こびりつ2.0%
にかわづけ2.0%
カウチヤク2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが社会生活に強い惰性となって膠着こうちゃくしている。そういう生活態度に適応する為めには、お前のような行き方は大変に都合がいい。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
藤左衞門は幾度か氣を變へて途中から止さうとしましたが、唇は笛の歌口に膠着かうちやくして、不氣味な調べが劉喨りうりやうと高鳴るばかり。
「は。……あれにおりまする一ト組、またこちらで、膠着にかわづけをしている者、そしてむこうの隅で錣縫しころぬいをしているのもきのうから参った者で」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きしうへあつまつた一たいは、それこそ滑稽こつけい觀物みものでした——とり諸羽もろは泥塗どろまみれに、動物けもの毛皮もうひ毛皮もうひ膠着くツつかんばかりに全濡びしよぬれになり、しづくがたら/\ちるのでからだよこひねつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いかに一ところに離れられないやうに膠着こうちやくされてゐるかといふことを考へて、人間のあさましい運命を嘆くといふほどでないにしても、あの小鳥のやうであつたら何んなに好いだらう。
樹木と空飛ぶ鳥 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
一次方程式、二次方程式、簡単なのは如何どうにかなっても、少し複雑のになると、エービーとが紛糾こぐらかって、何時迄いつまでってもエッキス膠着こびりついていて離れない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それがすむと、たつた今引つぱつたその線によつて中央に帰つて来る。其処で又第二の糸を膠着にかわづけさせて、直ちにまた円周まで行きついて、第一の糸から少し隔つた処に第二の糸の端をくつつける。
スベテ一日モ、ユルガセアルベカラザルニ、千早金剛ノ膠着カウチヤク久シキコト、ソレ無策カ、過怠クワタイカ。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)