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聳
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た
ふりがな文庫
“
聳
(
た
)” の例文
やがて、とある四つ角へさしかかると、彼女は怪訝そうに立ちどまって、指を一本あげて
唇
(
くち
)
を半開きにしたまま、じっと聞き耳を
聳
(
た
)
てた。
小さきもの
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
と例の大声で
罵
(
ののし
)
るのが手に取るように聞えた。村長は驚いて誰が
叱咤
(
しか
)
られるのかとそのまま足を
停
(
とど
)
めて聞耳を
聳
(
た
)
てていると、内から老僕倉蔵がそっと出て来た。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
軒下の
流
(
ながれ
)
も、その屋根を圧して果しなく
十重
(
とえ
)
二十重
(
はたえ
)
に高く
聳
(
た
)
ち、
遥
(
はるか
)
に
連
(
つらな
)
る雪の山脈も、
旅籠
(
はたご
)
の
炬燵
(
こたつ
)
も、
釜
(
かま
)
も、釜の下なる火も、
果
(
はて
)
は虎杖の家、お米さんの薄色の袖、
紫陽花
(
あじさい
)
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「恋は恋さ、何んだつてそんな事を聞くんです。」と湯村は
痩
(
や
)
せた肩を
聳
(
た
)
てた。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
彼は懐中電燈を消して、闇の中に
佇立
(
ちょりつ
)
した。それから、背を丸めて頸を前方へのばし、
呼吸
(
いき
)
を殺して聞き耳を
聳
(
た
)
てながら、じっと暖炉棚の方をのぞきこんだ。
空家
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
風
(
かぜ
)
の
一息
(
ひといき
)
死
(
し
)
ぬ、
眞空
(
しんくう
)
の
一瞬時
(
いつしゆんじ
)
には、
町
(
まち
)
も、
屋根
(
やね
)
も、
軒下
(
のきした
)
の
流
(
ながれ
)
も、
其
(
そ
)
の
屋根
(
やね
)
を
壓
(
あつ
)
して
果
(
はて
)
しなく
十重
(
とへ
)
二十重
(
はたへ
)
に
高
(
たか
)
く
聳
(
た
)
ち、
遙
(
はるか
)
に
連
(
つらな
)
る
雪
(
ゆき
)
の
山脈
(
さんみやく
)
も、
旅籠
(
はたご
)
の
炬燵
(
こたつ
)
も、
釜
(
かま
)
も、
釜
(
かま
)
の
下
(
した
)
なる
火
(
ひ
)
も、
果
(
はて
)
は
虎杖
(
いたどり
)
の
家
(
いへ
)
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
犬は首をあげ、耳をしゃんと
聳
(
た
)
てて、
雑鬧
(
ざっとう
)
の中を進んで行った。交通の
頻繁
(
うるさ
)
い街を横ぎるときなどは、鎖をピンと張るようにして、機敏に主人を導くのであった。
幻想
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
聳
漢検1級
部首:⽿
17画
“聳”を含む語句
聳立
聳動
相聳
聳目
秀聳
天聳
奇聳
直聳
立聳
聳抜
聳然
聳発
聳聽
高聳