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くりだ
ふりがな文庫
“
繰出
(
くりだ
)” の例文
そのうちに大粒の雨が降って来る。いなびかりがする。あわてて雨戸を
繰出
(
くりだ
)
している間に、母は蚊帳のなかへ逃げ込んでしまいました。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
露西亜の兵隊が何万満洲へ
繰出
(
くりだ
)
すうちには、日本ではこれだけ繰出せるとか、あるいは大砲は何門あるとか、
兵糧
(
ひょうりょう
)
はどのくらいあるとか
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これはそのお預け人
受取
(
うけとり
)
の四藩の人数なのだ。細川藩だけでも、七百名に近い人員を
繰出
(
くりだ
)
して、万一の変に備えたのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌
(
あく
)
る日は数千人の見物と参詣の人が、佐久間家の豪勢な屋敷をとりまき、近所の武家屋敷から、仲間足軽を
繰出
(
くりだ
)
して、その整理に忙殺されたほどです。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見て
居
(
ゐ
)
るとも知らず
源八
(
げんぱち
)
は
餅
(
もち
)
を
取上
(
とりあ
)
げ二ツに
割
(
わつ
)
て
中
(
なか
)
の
餡
(
あん
)
を
繰出
(
くりだ
)
し、
餡
(
あん
)
は
餡
(
あん
)
餅
(
もち
)
は
餅
(
もち
)
と
両方
(
りやうはう
)
へ
積上
(
つみあ
)
げまして、
突然
(
とつぜん
)
懐中
(
ふところ
)
へ
手
(
て
)
を
突込
(
つツこ
)
み
暫
(
しばら
)
くムグ/\やつて
居
(
ゐ
)
たが
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
何處
(
どこ
)
から
繰出
(
くりだ
)
したか——まさか
臍
(
へそ
)
からではあるまい——
蛙
(
かへる
)
の
胞衣
(
えな
)
のやうな
管
(
くだ
)
をづるりと
伸
(
の
)
ばして、
護謨輪
(
ごむわ
)
に
附着
(
くツつ
)
けたと
思
(
おも
)
ふと、
握拳
(
にぎりこぶし
)
で
操
(
あやつ
)
つて、ぶツ/\と
風
(
かぜ
)
を
入
(
い
)
れる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
予定の如くに第三陣第四陣と順々に
繰出
(
くりだ
)
して、盛んに軍容を整えて威武を張った。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その竹の棒へ練付けた羊の毛を巻いて、そうして口でもってだんだん
繰出
(
くりだ
)
して、よい
加減
(
かげん
)
に長くなったところで
撚
(
より
)
をかけるという具合にして糸を
拵
(
こしら
)
えるのですから太い糸しか出来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
讃州
(
さんしゅう
)
丸亀
(
まるがめ
)
の
京極
(
きょうごく
)
、
阿波
(
あわ
)
徳島
(
とくしま
)
の
蜂須賀
(
はちすか
)
、姫路の本多、伊予の松平など、海には兵船をつらね、国境には人数を
繰出
(
くりだ
)
し、この赤穂領を
長城
(
ちょうじょう
)
の壁のように囲んで、
鏃
(
やじり
)
や
砲筒
(
つつ
)
を御家中へ向けている
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
段々中二階の方へ
行
(
ゆ
)
くから、孝助はいよ/\源次郎に違いなしとやり
過
(
すご
)
し、戸の
隙間
(
すきま
)
から脇腹を狙って、物をも云わず、力に任せて
繰出
(
くりだ
)
す槍先は
過
(
あやま
)
たず、プツリッと
脾腹
(
ひはら
)
へ掛けて突き
徹
(
とお
)
す。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片手に
弓形
(
ゆみなり
)
の
撥
(
ばち
)
を持って
繰出
(
くりだ
)
して参りまして釈迦堂の前面へ円く列ぶです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
權三 さあ、
繰出
(
くりだ
)
せ。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と怒りの声を振立てながら、
一歩
(
ひとあし
)
進んで
繰出
(
くりだ
)
す
槍鋒
(
やりさき
)
鋭く突きかける。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
繰
常用漢字
中学
部首:⽷
19画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“繰”で始まる語句
繰
繰返
繰言
繰込
繰廻
繰拡
繰開
繰展
繰引
繰延