繩附なはつき)” の例文
新字:縄附
三人の繩附なはつきを奉行所へ送るのは、三つ股の源吉始め、行がかりで立合つた見廻り同心の顏にもかゝはるわけで、暫らくは目白の番所に留め置いたまゝ
繩附なはつきまゝにて其所へ引出せば此方は見やりて思ひ掛ずと驚くのほか言葉ことばなし登時そのとき忠相ぬし一同に向ひ山田元益母勝のうつたへに依て家主庄兵衞をころしたる曲者くせもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
奉職中蓄得たくはへえたりし三百余円を元に高利貸を始め、世間のいまだこの種の悪手段に慣れざるに乗じて、あるは欺き、或はおどし、或はすかし、或はしひたげ、わづかに法網をくぐり得てからくも繩附なはつきたらざるの罪を犯し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其方儀奉行ぶぎやうの申付とは言ながら賄賂まいないを取役儀を失ひ無體むたい威權ゐけんろう良民りやうみんを無實の罪に陷し入候條不屆に付繩附なはつきまゝ主人へ下さる家法かはふに行ひ候樣留守居へ申渡す
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方儀おも役儀やくぎつとめながら賄賂まいないとりよこしまさばきをなし不吟味ふぎんみの上傳吉を無體に拷問がうもんに掛無實の罪におとし役儀をうしなでう不屆に付繩附なはつきまゝ主人遠江守へ下さるあひだ家法かはふに行ひ候やう留守居へ申渡す
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)