“縁辺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんぺん30.8%
えんがわ23.1%
みより15.4%
えんへん7.7%
しるべ7.7%
ふちへん7.7%
よるべ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新吉自身の家柄との権衡けんこうから言えば、あまりドッとした縁辺えんぺんでもなかった。新吉のうちは、今はすっかり零落しているけれど、村では筋目正しいいえの一ツであった。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
真蔵は銘仙の褞袍どてらの上へ兵古帯へこおびを巻きつけたまま日射ひあたりの可い自分の書斎に寝転ねころんで新聞を読んでいたがお午時ひる前になると退屈になり、書斎を出て縁辺えんがわをぶらぶら歩いていると
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ないしはその女の父母か縁辺みよりに美作にとっての苦手があるか、どっちかでなければならなかった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「フーム。塙代与九郎奴は大目付殿の御縁辺えんへんでも御座りまするかの……言葉が過ぎたら御免下されいじゃが」
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それなる男はいささかの縁辺しるべ、最近我が家の寄宿者かかりうどとなり、我等養い居りましたるところ、わずかのことよりたった今し方、われらが父庄右衛門を殺し、ご覧のとおり妹を誘拐かどわか
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
而して右板戸の縁辺ふちへんの支棒に接触する部分は、磨滅を防ぐためと支棒の作用の堅確を期するため、新しく亜鉛あえん板を以ておおいありたるも、かえって軽微の力を以て
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しからば貪慾か、というに、これはその人を亡くすることによって利を獲るとの義だが、草加屋伊兵衛は独身を通した一酷な老爺、後継あととりはもとより親戚みより縁辺よるべもない。いや、たった一人、あるにはある。