紛議ふんぎ)” の例文
しかも、その家へ呼ばれて御馳走ごちそうになったり、二三日間朝から晩まで懇切に連れて歩いて貰ったり、昔日せきじつ紛議ふんぎを忘れて、旧歓きゅうかんを暖める事ができたのは望外ぼうがい仕合しあわせである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
民衆のそういう感覚は、眼に見ない政廟せいびょうのことではあるが、たいがい当らずといえども遠くないところをさとっていた。事実、その紛議ふんぎは、幾日も城内で繰り返されていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ寺内内閣てらうちないかく議會ぎくわいで、藏原代議士くらはらだいぎし總理大臣そうりだいじんから「ゾーバラくん」とばれて承知しやうちせず、「これ寺内てらうちをジナイとぶがごとし」と抗辯かうべんして一ぜう紛議ふんぎかもしたことがあつた。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
もとより紛議ふんぎ葛藤かつとうおそるゝところでない、正理せいりわれにあるのだが、しか※里ばんり波濤はたうへだてたる絶島ぜつとうおいて、すで唯一ゆいいつ確證くわくしようたる日章旗につしようき徹去てつきよされたるのちは、われに十二ぶん道理どうりがあつても
けれどそれは、長い紛議ふんぎにはならなかった。信長のはらが先に決まっていたからである。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
協力加役、紛議ふんぎあるなかれ。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)