イソ)” の例文
物部氏が、本流は亡びたが、イソカミ氏が栄えてゐて、大嘗祭の時に、大切な御門の固めをした。門の処に、楯と矛とを樹てゝ、外敵を差し止める事をした。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
イソ上布留カミフルの命は、嫋女タワヤメマドひによりて、馬じもの縄とりつけ、鹿シヽじもの弓矢カクみて、大君の命畏み、天サカ鄙辺ヒナベ退マカる。ふるごろも真土マツチの山ゆ帰り来ぬかも(万葉集巻六)
相聞の発達 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ものゝべの文学に関与してゐる側から云ふと、物部氏の複姓なるイソカミに附属した呪術は、古代に於ける各種の鎮魂法のうち、最重く見られる筈の長い伝統と、名高い本縁とを持つてゐたのだ。
石上乙麻呂の事件なども、逆に或は叙事詩から出て「イソ上布留カミフルの命」
相聞の発達 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此が、猿女鎮魂以外に、イソカミの鎮魂がある所以である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
イソカミふるき」
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)