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當表
得し上
此方より申上べし
先夫れ迄は
當表に
御逗留緩々御遊覽有べき樣
言上せらるべし
御證據の品々は
先御納下さるべしと伊賀亮へ
返しぬ是より種々
饗應に及び其日の八つ
過に
御歸館を
申せば其は
捨置難しと
早速諸司代へ到り
牧野丹波守殿へ此段申上るに然ば諸司代屋敷へ相招ぎ吟味を
遂相違無に於ては
當表よりも江戸へ
注進すべしと
評定一決し牧野丹波守殿より使者を
知つゝ
出家になし奉らんは
勿體なき儀に付今度我々
守護し奉つり江戸
表へ御供仕つるに
就ては一度江戸表へ御下りの
上は二度
京坂の
御見物も思召に
任せられざるべしと依て只今の
内京坂御遊覽の爲
當表へは御
出遊されしなり
委細は斯の如し相摸殿にも是にて
疑念有べからずと
辯舌滔々として水の
流るゝ如に
述たり是を