“用(も)” の例文
すなわち便(ただ)ちに各(おのおの)に青薬一丸を授け、而してこれに告げて曰く、汝この薬を持ち、水を以てこれを磨(と)き、用(も)って眼臉に塗らば、形まさに自ずから隠るべしと。
「琴書(きんしょ)ハ須(すべか)ラク自(みずか)ラ随(したが)ウベシ、禄位(ろくい)用(も)ッテ何カセン——こういう境遇でございます」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『楞厳経(りょうごんきょう)』に曰く、「一切衆生(しゅじょう)、無始より来(この)かた、生死相続することは、みな常住の真心(しんしん)、性浄明(しょうじょうみょう)の体(たい)を知らざるにより、もろもろの妄想を用(も)って、この想は真ならず、ゆえに輪転あり」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
こは諸人のもち拜(いつ)く竈(かまど)の神なり。次に大山咋(おほやまくひ)の神。またの名は末(すゑ)の大主(おほぬし)の神。この神は近つ淡海(あふみ)の國の日枝(ひえ)の山にます三。また葛野(かづの)の松の尾にます四、鳴鏑(なりかぶら)を用(も)ちたまふ神なり。次に庭津日(にはつひ)の神。
読み難いのは茶山の艸体である。蘭軒の姉は彼餞以外に別に何物をか茶山に贈つた。茶山は帰後時々それを用(も)つて興を添へると云つてゐる。其物は「金柚」と書してある如くである。柚は橘柚(きついう)か。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)